チャリナビ - Charity NAVI

特定非営利活動法人
エーピーエスディ(APSD)

自然をまもる/ 途上国を応援する


05年8月JOCA農業機材調査 029
APSD3

団体概要

エーピーエスディ(APSD)は、南太平洋ソロモン諸島の農村部において、持続可能な地域開発・発展のための必要な支援活動を行っている団体です。自然環境も守りながら、安定的に「食べる」ことと、近年必要性が増している現金収入を得るために、循環型農業を基本にした小規模産業の育成をサポートしています。また、今後は、フェアトレードや農業技術の研修など、日本とソロモン間で実際に人やモノの交流を活発化させることで、途上国と先進国の差を越えて、共にこれからの未来を考える関係を築いていきたいと考えています。

チャリプラからのオススメコメント

90年代末のソロモン諸島で生じた民族紛争を機に、その支援のために設立されたエーピーエスディ。紛争の契機となったのが、ソロモン都市部での開発の集中・伝統的土地支配制度の崩壊であったため、現地に有機農業研修センターを作り、持続可能な農業開発を目的に本団体は活動しています。また、ソロモンで培った農業支援のノウハウを日本に逆輸入しようという試みもしており、柔軟な発想に基づく活動がこの団体の強みです。

代表者からのメッセージ

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代表理事 伊藤健治

 「国々や人々が持つ可能性とそこから育まれるべき幸福感が発展の源泉であると思うから、その資源を見極め価値を引き出すこと」



 エーピーエスディは、南太平洋ソロモン諸島を主な活動拠点とし、農村部において自然環境を守りながら持続可能な地域開発・発展のために必要な支援活動を行っている団体です。

 活動のきっかけは私が1993年から1995年にかけて、青年海外協力隊(JICA)のボランティアとしてソロモン諸島で活動していたことが発端です。当時はサラリーマンでTVの映像制作に携わる仕事をしていました。その経験を生かし、現地の国立博物館で伝統文化、舞踊、有形無形の財産を記録・保存するボランティアに携わっていました。

 帰国後間もなく1998年にソロモン諸島の首都部における開発の集中や、伴う伝統的土地支配制度崩壊から生じる軋轢などで民族紛争が勃発。ボランティア当時はハッピーアイランドと言われ、平和だったソロモン諸島の人々の生活は一変した。くすぶっていた紛争の火種を活動時から認識していただけに「対岸の火事」とは思えず、紛争の復興支援を目的に2000年、サラリーマンを辞めて団体を設立し活動を始めました。

 最初は治安の改善など緊急復興支援から入りましたが、元より歪んだ開発の波にさらされた事で起きた紛争であり、適正な開発をその復興支援の手段と代える事が本質的な活動になると考えました。 元来、ソロモン諸島の人々は、独自の文化や自然とうまく折り合いを付け暮らしを営む生活技術の高さと、大洋州では比較的恵まれた自然資源を有することから、それらを上手く活かせばこの国は、今となっては先進諸国も持ち得ない持続的な社会発展を遂げることが可能だと考えています。国民のほとんどが農業を中心に自給自足の生活を営んでいるので、まず安定的に「食べる」事が基本になります。そのため、いまや非持続的となった焼畑から自然環境に負荷をかけない農業の支援を目指しました。現地に合った適切な農法技術の確立と、そこから得られた農生産物を加工し、小さくても必要な現金収入に変える殖産興業の概念を成功のモデルとして分かりやすく確立する事を目指しました。

 2002年から、ソロモン諸島のマライタ州フィユ村に、パーマカルチャーセンター(PCC)という名の有機農業研修センターを作り、人材育成に取り組んでいます。パーマカルチャーとは、オーストラリアのビル・モリソン氏が提唱している「持続可能な農的暮らしのデザイン体系」のことです。元々先進国の視点であり、そもそもソロモンの人々はその実践者だったわけです。今や先進諸国が羨むその価値と可能性を彼らの暮らしに投影する事で新たな光を当てたかったので命名しました。

 PCCでは身の回りにある自然資源を活用した循環型農業の研修を提供しています。研修は1年間で「稲作」「野菜」「家畜(豚/鶏)」「森林(炭焼/養蜂)」の4科目を実習と講義を組み合わせて行われます。ソロモン諸島は、大小1000を超える島々の集まりです。島によって環境が異なり、その土地に合った地域開発をしなくてはならないため、科目にも多様性をもたせています。

 支援活動を始めた当初は、日本人スタッフが駐在し活動を展開していましたが、今ではソロモン人スタッフが中心となって人材育成できるように成長してきています。今後、国の発展に向けて多くの地域リーダーがここから生まれることを期待しています。

 ソロモン諸島の人々の生活を見ていると、逆に日本における現在の問題点も浮き彫りになって見えてくることもあります。農村開発を行う団体として日本を見てみると、国内の食糧自給率は極めて低い状態にあります。地方の農村では高齢化により農業の担い手不足と遊休荒廃地が深刻な問題となっており、このままでは日本は将来、深刻な食料不足に見舞われるのではないかと懸念しています。他方、日本とは正反対の理由で現在のソロモン諸島は爆発的な人口増加から耕作地を広げ熱帯雨林が失われる悪循環にあります。双方の資源循環ができないか?との思いから日本国内での活動も始まり、将来は日本の高い農業技術をソロモンの青年が学び、双方の農業活性につながる仕組みを作りたいと考えています。そう遠くない先には産業交流事業を私たちの団体が実現できればと思います。

 その他の国内活動としては、長野県の自治体と連携し、都市部の小学校と協働で環境教育プログラムを行っています。都会の子どもたちにとっては貴重な棚田での農業体験を中心に、身近な食べ物のことから途上国の問題や、地球の環境に起こっている問題を学び、自分達の暮らしとのつながりを「感じて」出来ることを「考えて」「実行する」子どもの育成を目指しています。

 今後はソロモン諸島の開発援助と、日本における地方の農村活性、子どもたちへの環境教育などを有機的に繋げられるような活動を目指していきたいと考えています。

 今後ともよろしくお願い致します。

団体情報

所在地 252 - 0303 神奈川県 相模原市南区相模大野6-7-9 SAN-EI STUDIO 6B
連絡先 042 - 702 - 3676 / mayu_saito@apsd.or.jp
(担当者:斉藤 麻友)
設立年月日 2000 年 12 月
活動エリア ソロモン諸島-マライタ州 日本-首都圏、長野県